Friday, 19 March 2010

The World Is Curved -世界はカーブ化している-

The World Is Curved - 世界はカーブ化している グローバル金融はなぜ破綻したか

久しぶりに読み応えのある本だった。
経済関連の本だと、Tipping Point、Freakeconomics(あってる?)が結構おもしろかったけど、
どちらも行動経済学って感じで、ちょっと社会学っぽい感じ。
つまり経済の知識ゼロの人でも楽しめる、読みやすい本。
それに比べると、The World Is Curvedは、知識ゼロで読むと、断念しちゃいそうな本。

この本を書いたのは、デビッド・スミックという、お偉い方。
世界の制作当局者、金融界、経済メディアから最も高い評価を受けているグローバル金融ストラテジストのひとり。
世界各国の金融機関、金融当局のほか、ジョージ・ソロス、スタン・ドラッケンミラーなど著名投資家たちを顧客に持っている。

自身の経験話を交えながら、グローバル金融市場について書いている。
お偉い方とあってか、彼の経験話に出てくる登場人物がすごい。
グリーンスパンや、バーナンキ、竹下元首相、細川元首相、橋本元首相・・・などなど色々。
本当に間近で、グローバル金融と言うものをみてきたことがわかる。

この本で特に気に入ったのは、バランスがいいこと。
中国に1章、日本に1章、ヨーロッパに1章を割いており
2007年に始まった世界金融危機について、
中国の近年の急成長、日本の失われた10年、ヨーロッパのポンド危機、そしてアメリカのレーガン(共和党)-クリントン(民主党)が推し進めたグローバル経済など、
様々な視点から考察して、そしてアメリカは今後どういう政策をとっていけばいいのか、などを書いている。

結論から言うと、彼は、現在向かいつつある保護主義を反対していて、アメリカがもともと持っている企業家精神を失わせないようにしなければならないと、危惧している。

日本についての章では、
バブル崩壊後の日銀の失敗について色々書いてあって、
失われた10年の原因を知ることができた。

アメリカのサブプライムについては、
複雑化した証券や、簿外子会社のからくり、格付け会社の手抜き、ベアーズ救済とはどんな意味を持っているのか、など。

とりあえず、いい本です。
おすすめ。
時間ができたら、ブラック・スワンを読みたいです。

ところで、SEC高官の年収は、14万3000ドルから21万6000ドルの間らしい。
その一方で民間のGSの下級運用担当職員でも100万ドル単位の年俸をもらってて、2006年のGS全従業員の平均年俸は62万2000ドル、重役の補佐や秘書でさえ、20万ドル以上もらっていたらしい。

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