Tuesday, 13 July 2010

石油の支配者

かなりオススメの一冊。

「原油枯渇説」というものがある。原油は限られた資源でいつか枯渇する。この「原油枯渇説」の所以は何か?原油は、そもそも、太古の恐竜や動植物が化石燃料化して生まれた資源だというのが、この「原油枯渇説」のベース。しかし、この化石燃料化説では、説明できないことは沢山ある。たとえば、中東地域などの一部の地域になぜ集中しているのか?など。
そこで、出ているのは、原油は化石燃料化してできたのではなく、地球のマグマの活動によって常に生成されている無尽蔵の天然資源なのではないかという説。実際に、これを裏付ける実験も行われており、今は、原油は中深くに存在する岩石が高温と高圧により資源化したものであることが解明されるようになった。

原油の埋蔵量ほどでたらめなデータはない。各国が発表するデータは、どのようにこの値が出たかのチェックを行っていない。そのため、20年前の埋蔵量と現在の埋蔵量は変わっていないと言う不思議なことが起きている。石油会社が出している埋蔵量のデータも信憑性がない。20年前の埋蔵量と現在の埋蔵量が変わっていないと言うデータを見ると、原油の無尽蔵の天然資源説は、どうも説得力があるようにも思える。

しかし、この無尽蔵の天然資源説には、石油産業は冷ややかな対応。なぜかというと、限られた資源であるほど、価値は高くなるわけで、限られた資源ではないということになると、石油産業事態のあり方も根底から変わることにならざるを得ないからに他ならない。

ダイヤモンド産業の最大手のデビアスの昔の会長は「ダイヤの原石自体が極めて希少なものであり、そこから得られる高品質のダイヤはさらに得られる量が少ないと言う幻想を与えることが大切だ」ダイヤ市場は人工的に作られたものであることがわかる。ダイヤモンド業界の専門家に言わせれば、「実際にダイヤの資源としての価値は1カラット30ドルが妥当」生産量は年間10億個以上と言われる。ダイヤモンドと同じような「希少な資源と言う幻想」が原油にも起きているのではないか?原油に関しても実は同じ価格メカニズムが働いているのではないか?一部の生産者や取引業者の価格コントロールと言う罠に陥ってしまったのでは?

話は少々変わり、環境問題の規制について。この規制も、地球温暖化をとめると言ったような、大義名分はあるものの、実はその裏では、誰かが儲ける仕組みになっている。たとえば、京都議定書の裏にいたのはエネルギー関連の投資で儲けていたエンロン。エンロンは世界の環境問題に対する危機感を煽ることで、京都議定書の合意に一役買った。それと同時に、それと同時に京都議定書に抜け道を作り、環境汚染企業が生き残る道を作った。環境保全で儲けつつ、環境汚染でも儲ける仕組みになっていた。

原油と初めとする天然資源は、政治商品になりつつある。多くの国が、政府として天然資源を争奪戦を繰り広げている。一方の日本は、自国が天然資源に恵まれていないにもかかわらず、海外での天然資源争奪戦に積極的ではない。それどころか、小泉改革の元、石油公団は廃止されてしまった。

国として天然資源の獲得が下手な日本。これでは、日本企業がなかなか参入できないのも仕方がない。なぜなら、これは民間企業だけでできることではないからだ。そこで、筆者が提案しているのは、水という天然資源。天然資源に恵まれていないと言われる日本であるが、実は水と言う天然資源に恵まれている。日本の淡水化技術は世界でもトップクラスで、この分野で日本は世界の60%を超えるシェアを持っている。中東諸国を中心に世界で10億人近い人がMade In Japanの水を飲んでいる。

オイルがなくても、人は生きていけるけど、
水がなかったら、人は生きていけない。

日本は水と言う天然資源で戦うべし。



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